2016年の秋以降、長期に渡ってパフォーマンスが低迷していた損小利大EA Beatrice-07 EURUSDだが、今年2018年になって状況は一転、1月から現時点(8月)まで約3,700Pipsのプラスと絶好調だ
私も2017年4月よりForex.comのMT4口座で当EAのリアル運用を開始したものの、自己裁量でEAを長期にEAを停止していたこともあり最近まで当EAによる運用損益はマイナスだったが、ここにきてようやくプラス域へ転換した
今年これまで好調なのは嬉しい限りなのだが、「たしかこのEAは9月に成績が落ち込む傾向があったような・・・?」という曖昧な記憶(疑問)がよみがえった為、久々にEAフォワード結果の分析を行ってみることにした。
またEA Beatrice-07と類似しているBeatrice-ADX01についても同様にフォワード結果の分析を行い、これらEAの分析結果を比較してみた
目次
EA Beatrice-07とBeatrice-ADX01 フォワード結果
Fx-onのEA販売ページにアクセスすることで両EAとも2013年8月以降のフォワードテスト結果を確認することができるが、収益(金額)ベースのデータしか記載されていないのがネック
特にこれら2つのEAに関しては期間の途中(-07は2017 2月以降、-ADX01は2017 3月以降)から取引ロット数が0.1→0.3Lotへ変更されている為、グラフの波形や平均利益・損失などの数値ははっきり言ってあまり参考にならない
以上の理由から少々手間ではあるが、フォワードテストの全トレード履歴をCSVファイルでダウンロードし、金額ベースではなくPipsベースで集計・分析を行なった
ただ、フォワード計測中に取引ロット数を0.1→0.3Lotへ3倍に増やすという行為は、EAが不調に陥りマイナスとなった場合「損失額は以前の3倍となりグラフの波形、収益を含むほぼ全ての数値が大幅に悪化する」ため、開発者はこれらEAに相当な自信を持っているのだと思う
EA Beatrice–07とBeatrice-ADX01 累計Pipsグラフ
↑がFx-onのEA販売ページ フォワードテストの項目からダウンロードしたデータをもとに集計し、各EAの累計Pipsをグラフ化したもの(集計期間はどちらも2013年8/1〜2018年8/18 決済分まで)
この上記グラフを見てわかるように、形状(Pipsの増減とタイミング)はかなり似ており、類似したロジックで売買しているEAであることは間違いない
しかしドローダウンに関しては、過去5年間でBeatrice-07は2,000Pipsを超えるドローダウンが4回発生しているのに対し、Beatrice-ADX01の方は2回と回数は少ない反面ドローダウンの規模が大きい
そして現時点でのTotal Pipsは、Beatrice-ADX01がBeatrice-07を4,000Pips以上も上回っており、特に直近の約2年(2016年中旬以降)はBeatrice-ADX01の方が好成績となっている
EA Beatriceは07,ADX01のどちらも9月相場に弱い!?
↑両EAの月別 Total Pipsを見ると、両EAとも明らかに9月の成績が悪くどちらも過去月間ベースで1勝4敗 3,000Pips近いマイナスとなっている
ただ、2015年10月のアップデート Ver1.9で『毎年9月に成績が悪化することに対するパラメータの調整』が行われており、Ver1.9以降であればそこまで心配はいらないのかも分からないが、個人的にはやはり9月は稼働を停止して様子見にしようかな?と考えている
ちなみに(2018.8月時点)これらEAの最新バージョンは2.05となっており、昨年2017年に行われたアップデートでも売買ロジックの調整が実施されたもよう
Q. バージョンアップの連絡がきましたが、ロジックの変更とは何が変更なったのでしょうか
A. 基本的なプログラムは全バージョンと同じになりますが
1)昨今の相場でもパフォーマンスが出るようNNにデータを再学習させ再調整いたしました。
2)統計的にはパフォーマンスに影響を与えない、中間決済機能(金曜日以外に決済する機能)を削除しました。
3)理論上は、うまく動作しなかったOANDA JAPANさんでもある程度性能が出るようになったかと思います。引用元:Beatrice-07 コミュニティ(質問)ページ
その他、リアル口座で運用する際に考慮すべき点
まず1つ目に、フォワードテストはデモ口座を利用したものであり、デモ口座はあくまでヴァーチャル環境であるためリアル口座と比べて滑りがほとんど発生しない。
よって同じFX会社のデモ口座とリアル口座でEAを稼働させた場合でも、長期的にみてリアル口座のパフォーマンスがデモ口座を上回るということはまずない
2つ目に、当EAのフォワードテストで利用されている口座はAAAFXという海外ブローカーで、AAAFXのEURUSD スプレッドは0.2Pipsと激狭であること
参照→ https://www.aaafx.com/spreads
ちなみに、国内MT4業者の中でもスプレッドのかなり狭い 外為ファイネストでもEURUSDのスプレッドは0.6〜0.8Pips程度となっており、これだけでフォワード(AAAFX)のトレード環境と比べて1トレード毎 往復1Pipsは不利な条件となる
さらにリアル口座ではデモ口座と比べて滑りが発生しやすい為、激狭スプレッド+約定力も高いと評判の外為ファイネストであっても平均して1トレードあたり1.5〜2Pips程度はフォワードより低パフォーマンスになると考えるべきである
▶️ FX口座レビュー 外為ファイネストは国内MT4口座の中でも穴場!
よって、(当EAに関しては)私なら少し余裕をもたせて1トレードあたり3Pips程度フォワードより低パフォーマンスになると考えて期待値を見積もる
結論としてはやはりEAの実力は本物!......だと思う
前述したように、当EAのフォワード結果とほぼ同じパフォーマンスをリアル口座の運用で期待するのは少し無理があると思われる
しかし、EA Beatrice-07と-ADX01は仮に1トレードあたり3Pipsマイナスで見積もった場合でも過去 約5年間(2013年8月〜2013年8月17日決済分まで)で
- Beatrice-07 +15,437Pips (PF 1.31) 取引回数 1,365
- Beatrice-ADX01 +19,791Pips (PF 1.41) 取引回数 1,362
とすばらしい成績となっており、昨年2017年は不振(とはいっても年間で見るとほぼほぼ横這い)ではあったものの、今年に入ってからは再び好調と、やはり長期にわたり高パフォーマンスを叩き出しているEA Beatriceの実力は本物だと思う
私個人の体験談としても、実際に(デモ口座、リアル口座を問わず)EAを稼働させてみるとフォワードとは逆方向のポジションを取ることがあり、不安になることも少なくないのだが、長期的に見ればフォワードとそこそこ近い結果(パフォーマンス)となっている印象
私は現在Forex.com(リアル口座)でEA Beatrice-07を稼働させているが、フォワード結果では特に直近の約2年(2016年中旬以降)はBeatrice-ADX01の方が好成績となっていることもあり、近くEA Beatrice-07→Beatrice-ADX01のへ入れ替えを考えている
また運用するブローカーについても、Forex.comからゼロカット&ハイレバレッジのAxioryかTitanあたりに変更するかもしれない
ただEA Beatriceはブローカーとの相性も重要みたいなので、近々バックテストを行い例年不調な9月はデモ口座で様子を見てたうえでブローカーの変更については判断したいと思う