つい先日(2019.1.29)にEA Beatrice DELTA2 EURUSDのアップデートの通知がありました
EA購入者の方は↑内容のメールを受信したはず
ロジック変更を伴うアップデートがされたということで、私も早速ダウンロード→バックテストを実施し旧バージョンv1.04との比較を行ってみた
ということで今回は、新バージョンBeatrice DELTA2 v1.05とこれまでのバージョンv1.04の違いはどの程度あるのか?比較・分析を行ってみた結果についてのレポート
目次
Beatrice DELTA2 前バージョンv1.04からの主な変更点
今回の新バージョンv1.05におけるパッと見で分かる変更点は、パラメーターの入力でトレール()の項目がなくなっていること
この件についてEA販売ページのコミュニティ欄にEA作者さんのコメントが記載されていたので引用
Q.東京シストレ様 お世話になっております。 本日、バージョンアップのお知らせがありました。 ロジックの変更ということですが、新EAではパラメータにトレール設定項目がなくなっていました。 これは内部的に処理される仕様に変更となった、という理解でよろしいでしょうか?
A.トレールと、そのパラメータが必要なものであり 無効にして使うことが想定できないためです。 内部的に処理するよう変更が加えられました。 また、不具合報告に対するアップデートと信頼性向上 安定化、処理の軽量化が施されております。 ウチでは、不具合を隠したり 延々と顧客を騙し続けるような悪質なことは一切致しません。
個人的には今回のバージョンアップで、トレーリングに関するパラメータが消去された点については少し不満(利用者に多少の裁量余地を残しておくという意味でも、残して欲しかった)
ただ、信頼性向上、安定化、処理の軽量化が施されているとの事なので、最近頻発していたリアル運用でフォワードと逆方向でエントリーする『逆ポジ現象』が、今回の新バージョンでは発生しにくくなっている可能性に期待できるかもしれない
他、変更点については一切不明なので、バックテスト結果よりヒントを探ってみた
Beatrice DELTA2 旧ver1.04とバックテスト結果を比較・分析
早速、旧ver1.04と新ver1.05の両バージョンでバックテストを実行し、その結果をmyfxbookに読み込んで分析してみた
2017.1〜2019.1/30までの直近 約2年のバックテスト結果
まずは直近の約2年間(2017年〜)の期間で比較してみた結果が以下
どちらもスプレッドは15、SL,TP等のパラメータはデフォルト値、ヒストリカルデータはDukascopy JPのJforex(リアル口座)よりダウンロードしたものを使用
前バージョン v1.04
新バージョン v1.05
2010.1〜2011.12/31までの約2年のバックテスト結果
バージョンアップの内容は直近数年間の相場に最適化しただけのという可能性も0ではないため、9年前〜期間でも比較
前バージョン v1.04
新バージョン v1.05
バックテスト 分析結果の比較まとめ
v1.04 2010-2012 | v1.05 2010-2012 | v1.04 2017-2019.1.30 | v1.05 2017-2019.1.30 | |
---|---|---|---|---|
歩み(ポジション数): | 109 | 95 | 107 | 95 |
Pips: | 1,528.4 | 1,329.4 | 2,424.2 | 1,874.7 |
平均勝利(pips): | 37.51 | 39.59 | 44.89 | 46.21 |
平均損失(pips): | -122.50 | -122.50 | -103.79 | -101.76 |
PR (ペイオフレシオ) | 0.31 | 0.32 | 0.43 | 0.45 |
ロング 勝率: | (55/65) 84% | (45/55) 81% | (53/64) 82% | (44/54) 81% |
ショート 勝率: | (38/44) 86% | (35/40) 87% | (38/43) 88% | (34/41) 82% |
トータル 勝率: | (93/109) 85.3% | (80/95) 84.2% | (91/107) 85.0% | (78/95) 82.1% |
ベストトレード(pips): | (Dec 13) 180.5 | (Dec 13) 180.5 | (May 17) 180.5 | (May 17) 180.5 |
ワーストトレード(pips): | (May 04) -122.5 | (May 04) -122.5 | (Feb 07) -122.5 | (Feb 07) -122.5 |
平均 保有期間: | 16h 37m | 17h 4m | 2d | 2d |
期待値(pips): | 14.0 | 14.0 | 22.7 | 19.7 |
↑のように、バックテストの結果上ではこれまでの旧バージョンv1.04の方が(2010年〜2012年、2017年〜2019年1月30日まで)両期間において高収益となっていた
ペイオフレシオ(平均損益比率)は新バージョンv1.05の方がわずかに上ではあるものの、勝率&トータル損益(Pips)は旧バージョンv1.04の方が上で、特に直近の約2年(2017〜2019.1.30)においては、v1.04の方が549.5 Pipsも上回っている(あくまでバックテスト上のデータではあるが)
バックテスト結果(レポート)をmyfxbookへ取り込む手順については↓記事を参照
Beatrice DELTA2 新v1.05ではエントリーを見送るケースが増加
Beatrice DELTA2は毎週月曜(日本時間の10時)に新規エントリーするEAだが、分析結果のまとめデータを見てもらえれば分かるように、新バージョンv1.05では月曜のエントリーを見送る頻度が、旧v1.04に比べて高くなっている(v1.04は、ほぼ100%の確率で月曜に新規ポジションを取る)
試しに2018年以降の期間において、v1.04ではエントリーしているのにv1.05では見送っているポジションを履歴から調べてみたところ
Open Date | Close Date | Symbol | Action | SL | TP | Open Price | Close Price | Pips |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
04/02/2018 01:00 | 04/03/2018 06:08 | EURUSD | Sell | 1.23163 | 1.21414 | 1.23219 | 1.23163 | 5.6 |
04/30/2018 01:00 | 04/30/2018 16:31 | EURUSD | Sell | 1.20952 | 1.1948 | 1.21285 | 1.20952 | 33.3 |
05/21/2018 01:00 | 05/22/2018 06:31 | EURUSD | Buy | 1.17692 | 1.19293 | 1.17488 | 1.17692 | 20.4 |
07/02/2018 01:00 | 07/05/2018 14:03 | EURUSD | Buy | 1.1691 | 1.18466 | 1.16661 | 1.1691 | 24.9 |
07/30/2018 01:00 | 08/03/2018 11:10 | EURUSD | Sell | 1.15904 | 1.14796 | 1.16601 | 1.15904 | 69.7 |
12/31/2018 01:00 | 01/02/2019 22:55 | EURUSD | Sell | 1.13526 | 1.12663 | 1.14468 | 1.13526 | 94.2 |
01/21/2019 01:00 | 01/22/2019 17:49 | EURUSD | Sell | 1.13727 | 1.11937 | 1.13742 | 1.13727 | 1.5 |
直近13ヶ月で↑計7回のトレード(エントリー)をv1.05 バックテストではスキップしていた
加えて少し驚きなのが、新v1.05ではエントリーしていないこれら7件のトレード結果は全てプラス決済となっていること
新バージョン v1.05ではv1.04とは逆方向のポジションを取ることも?
同じく2018年以降の期間で、v1.04とv1.05のバックテスト トレード履歴からポジションの向き(売りor買い)が逆になっているケースはないかについても調べてみた
Open Date | Close Date | Symbol | Action | SL | TP | Open Price | Close Price | Pips |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
01/22/2018 01:00 | 01/24/2018 13:25 | EURUSD | Sell | 1.23665 | 1.20635 | 1.2244 | 1.23665 | -122.5 |
03/05/2018 01:00 | 03/05/2018 08:07 | EURUSD | Sell | 1.23068 | 1.21518 | 1.23323 | 1.23068 | 25.5 |
11/26/2018 01:00 | 11/28/2018 17:00 | EURUSD | Sell | 1.12991 | 1.11537 | 1.13342 | 1.12991 | 35.1 |
01/14/2019 01:00 | 01/15/2019 13:41 | EURUSD | Sell | 1.14433 | 1.12821 | 1.14626 | 1.14433 | 19.3 |
すると、直近13ヶ月でv1.05ではv1.04とは逆方向(逆ポジ)でエントリーしている結果が↑(v1.05 バックテストの履歴で)4件見つかった
またこれら逆ポジ以外にも、決済のタイミングが異なっている履歴も3件ほど確認
以上のことから今回のバージョンアップではエントリーに関するロジックだけでなく、決済に関するロジックにもわずかながら変更が加わっている可能性は高いと思われる
旧バージョン→新バージョンへ切り替えるか否か
おそらくBeatrice DELTA2購入者の大半の方は今週末に新バージョンへ切り替えて2月〜v1.05での運用を開始することかと思う
Fx-onに掲載されているフォワードも、おそらく来週からはv1.05によるトレード結果へ切り替わると思うので、フォワードと反対のポジションを取ってしまっていないかの確認も手軽で、今回のバージョンアップにより逆ポジ現象がこれまでより発生しにくくなっている可能性にも期待できるため、(特にこれまで逆ポジ現象に悩まされてきた利用者の方は)新バージョンへ切り替えるのが得策かもしれない
私も逆ポジ現象に悩まされてきた人の一人ではあるが
- 今回のバージョンアップにより、これまでと比べて逆ポジ現象が発生しにくくなったという確証はない
- バックテスト上では旧バージョン v1.04の方が高パフォーマンス
という2点の理由から、個人的にはこれまでのv1.04でもうしばらく(数ヶ月程度?)稼働させて様子を見たいと考えている
まとめ
今回の内容をまとめると
- Beatrice DELTA2 新バージョンのv1.05では、トレーリングストップのパラメータ変更ができなくなった
- 約4年間のバックテスト上では、新v1.05よりも旧v1.04の方が高収益
- 新バージョンv1.05では、v1.04と比べてエントリー(トレード)する回数が減る
- 決済に関するロジックにも多少の変更が加えられていると思われる
- 現時点ではまだ不明だが、v1.05ではフォワードとの逆ポジが発生しずらくなっているかも?(利用者側の期待)
このような感じ。
ちなみに、ほぼ毎回15分遅れてエントリーする現象はMT4を動かしているサーバー(あるいはノートPC等)の時刻をオンライン同期ではなく、手動設定で日本標準時刻(JST)よりも数秒程度早くすることで解決できる可能性はそれなりに高そう(私も1/13に手動設定に切替えたところ、これまで3週連続で遅刻なしエントリーとなっている)
また、私が行ったバックテスト上では、2013年以降の直近6年間で2月のパフォーマンスは4/6でマイナスと、月別でもワースト1位となっているため2月は少し注意した方が良いかもしれない
あくまでバックテスト上の結果なので、実運用(リアル)では逆ポジ・エントリーがしばしば発生するようでは全く参考になりませんが・・・。
今回のバージョンアップが、逆ポジ現象の発生確率 大幅減少+これまで以上の好結果に繋がるものであるといいですね!
今後もDELTA2の活躍に期待しましょう