今から1ヶ月ちょっと前(2019.1.29)にアップデートされたばかりのEA Beatrice DELTA2 EURUSDですが、先日再びアップデート調整が入りました
EA購入者の方は↑内容のメールを3/11に受信したはず
ちなみに、この翌々日3/13にも『MT4側で処理落ちが発生する問題に対するEA側緩和策』がアップデートがあり、この記事を作成している3/14時点での最新バージョンはv1.07となっている
追記 2019.4.02
3/25(月)に再びバージョンアップがあり、現在の最新verはv1.10となっています。また今回の変更点は(エントリー時間の遅延などの)バグ対策で、ロジックの変更はナシ(バックテスト結果もv1.07と一致)
また、v1.04→v1.05へのアップデートで削除された、トレーリング設定のパラメーターがv1.10では復活していることを確認済
期間は約1ヶ月と短いが前回のバージョン v1.05にアプデ実施後も以前と変わらず、リアル口座ではEA公式フォワード(デモ)とは逆方向でエントリーする『逆ポジ現象』が発生しており、おそらく多くの利用者から苦情が寄せられた為でしょう
今回もロジック変更を伴うアップデートということなので、早速ダウンロードし今回は2010年以降の長期バックテストを実施し、旧バージョンv1.04, v1.05との比較&分析を行ってみた結果について取り上げたいと思う
目次
前バージョンv1.05からパット見で判断できる変更点はナシ
前回v1.04→ v1.05へのバージョンアップではパラメーターの入力でトレールの項目がなくなっていたが、今回のアプデではパット見で判断できる変更点は特になし
繰り返しになってしまうが、v1.05→ v1.06へのバージョンアップでロジックの変更、v1.06→ v1.07ではMT4の処理落ちに対する緩和策が盛り込まれているもよう
これら内部的な仕様の変更については不明なので、バックテスト結果よりこれまでのバージョンとトレード内容がどの程度異なるのかヒントを探ってみた
Beatrice DELTA2 旧ver1.04〜最新v1.07の3バージョンを比較・分析
今回は旧v1.04と前v1.05と最新のv1.07の3バージョンで、2010年〜直近まで(110ヶ月)の長期バックテストを行った結果をmyfxbookに読み込んで分析
ちなみに、v1.06→v1.07へのアップデートでは売買ロジックに変更はナシ(念のため両バーションでバックテストを行ってみたが、全く同じ結果だった)
2010.1〜2019.3/10迄 長期BTの統計数値 比較
共通のバックテスト条件
共通のバックテスト条件
初期バージョン v1.04
前バージョン v1.05
最新バージョン v1.07
DELTA2 バージョン別 バックテスト 統計数値の比較まとめ
DELTA2 新旧ver バックテスト 分析統計データの比較DELTA2 長期BT 2010-2019.3 統計 | v1.04 | v1.05 | v1.07 |
---|---|---|---|
歩み(ポジション数): | 485 | 426 | 429 |
Total Pips: | 7,721.4 | 8,055.7 | 7,672.4 |
最大ドローダウン Pips | -559.10 | -451.60 | -489.40 |
平均勝利(pips): | 39.68 | 41.92 | 41.41 |
平均損失(pips): | -106.19 | -102.21 | -102.78 |
PR (ペイオフレシオ) | 0.37 | 0.41 | 0.40 |
ロング 勝率: | (248/298) 83% | (210/251) 83% | (140/167) 83% |
ショート 勝率: | (158/187) 84% | (148/175) 84% | (38/43) 88% |
ベストトレード(pips): | (Dec 13) 180.5 | (Dec 13) 180.5 | (May 17) 180.5 |
ワーストトレード(pips): | (May 04) -122.5 | (May 04) -122.5 | (Feb 03) -122.5 |
平均 保有期間: | 1d | 1d | 1d |
期待値(pips): | 15.9 | 18.9 | 17.9 |
↑のように、2010年〜の長期バックテスト結果上では前バージョンv1.05が最も高収益、かつ低ドローダウンとなっていた
バックテスト結果(レポート)をmyfxbookへ取り込む手順については↓記事を参照
DELTA2 バージョン別 累積Pipsグラフの推移を比較
v1.05とv1.06( =v1.07)のPipsグラフの推移 比較
初期v1.04とv1.05のPipsグラフの推移 比較
どれも最終的なTotal Pipsでは大差はなく、誤差の範囲内と捉えて良さそうだが、停滞(横這い)期間の長さに関してはそこそこ差がある感じで、初期のv1.04が2014〜2016年までの約2年間と最も長い
新バージョン v1.07ではv1.05とは逆方向でエントリーする頻度が高め?
直近約1年のver別 エントリーポジションと損益PipsOpen | V1.04 | V1.05 | V1.06 | Pips v1.04 | Pips v1.05 | Pips v1.06 |
---|---|---|---|---|---|---|
2018/03/05 | Buy | Sell | Sell | 57.8 | 25.5 | 25.5 |
2018/03/12 | Sell | Sell | Sell | 20.5 | 20.5 | 20.5 |
2018/03/19 | Buy | Buy | Buy | 59.1 | 59.1 | 59.1 |
2018/03/26 | Sell | Sell | Sell | 39.7 | 39.7 | 39.7 |
2018/04/02 | Sell | 5.6 | ||||
2018/04/09 | Buy | Buy | Buy | 62.8 | 62.8 | 62.8 |
2018/04/16 | Sell | Sell | Sell | 44.7 | 44.7 | 44.7 |
2018/04/23 | Buy | Buy | Buy | -122.5 | -122.5 | -122.5 |
2018/04/30 | Sell | 33.3 | ||||
2018/05/07 | Sell | Sell | Sell | 41.8 | 41.8 | 41.8 |
2018/05/14 | Sell | Sell | Sell | 105.9 | 105.9 | 105.9 |
2018/05/21 | Buy | 20.4 | ||||
2018/05/28 | Sell | Sell | Sell | 59.9 | 59.9 | 59.9 |
2018/06/04 | Sell | Sell | Sell | -122.5 | -122.5 | -122.5 |
2018/06/11 | Sell | Sell | Sell | 24.4 | 24.4 | 24.4 |
2018/06/18 | Buy | Buy | Buy | 36.9 | 36.9 | 36.9 |
2018/06/25 | Buy | Buy | Buy | 15.1 | 15.1 | 15.1 |
2018/07/02 | Buy | 24.9 | ||||
2018/07/09 | Sell | Sell | Sell | 30.8 | 30.8 | 30.8 |
2018/07/16 | Sell | Sell | Sell | 46.8 | 46.8 | 46.8 |
2018/07/23 | Sell | Sell | Sell | 20.4 | 20.4 | 20.4 |
2018/07/30 | Sell | 69.7 | ||||
2018/08/06 | Buy | Buy | Buy | 36.8 | 36.8 | 36.8 |
2018/08/13 | Buy | Buy | Buy | 22.1 | 22.1 | 22.1 |
2018/08/20 | Buy | Buy | Buy | 75.4 | 119.6 | 119.6 |
2018/08/27 | Sell | Sell | Sell | 8 | 8 | 8 |
2018/09/03 | Sell | Sell | Sell | 32 | 32 | 32 |
2018/09/10 | Buy | Buy | Buy | 17.5 | 17.5 | 17.5 |
2018/09/17 | Buy | Buy | Buy | 37.6 | 37.6 | 37.6 |
2018/09/24 | Sell | Sell | Sell | 142.7 | 142.7 | 142.7 |
2018/10/01 | Sell | Sell | Sell | 70.6 | 38.9 | 38.9 |
2018/10/08 | Sell | Sell | Sell | 29.1 | 29.1 | 29.1 |
2018/10/15 | Buy | Buy | Buy | 27.5 | 27.5 | 27.5 |
2018/10/22 | Buy | Buy | Buy | 16.8 | 16.8 | 16.8 |
2018/11/05 | Sell | Sell | Buy | 36.2 | 36.2 | 12.4 |
2018/11/12 | Buy | Buy | Buy | 8.1 | 8.1 | 8.1 |
2018/11/19 | Buy | Buy | Buy | 28.4 | 28.4 | 28.4 |
2018/11/26 | Buy | Sell | Buy | 17.2 | 35.1 | 17.2 |
2018/12/03 | Sell | Sell | Buy | -58.4 | -58.4 | 12.4 |
2018/12/10 | Sell | Sell | Sell | 29.4 | 29.4 | 29.4 |
2018/12/17 | Buy | Buy | Buy | 63.8 | 63.8 | 63.8 |
2018/12/24 | Sell | Sell | Sell | 3.4 | 3.4 | 3.4 |
2018/12/31 | Sell | 94.2 | ||||
2019/01/07 | Sell | Sell | Sell | -122.5 | -122.5 | -122.5 |
2019/01/14 | Buy | Sell | Buy | -105.8 | 19.3 | -105.8 |
2019/01/21 | Sell | 1.5 | ||||
2019/01/28 | Buy | Buy | Sell | 7.3 | 7.3 | -58.7 |
2019/02/04 | Sell | Sell | Sell | 98.9 | 98.9 | 98.9 |
2019/02/11 | Buy | Buy | Sell | -52 | -52 | 32.6 |
2019/02/18 | Buy | Buy | Buy | 23.8 | 23.8 | 23.8 |
2019/02/25 | Sell | Sell | Sell | -19 | -19 | -19 |
2019/03/04 | Buy | Sell | Buy | -122.5 | 27.5 | -122.5 |
Total | 1,023.6 | 1,047.2 | 819.8 |
↑はエントリーポジションの方向性の違いについて、直近約1年分の履歴データを集計&比較してみた結果を表にまとめたもの
2018年11月以降の直近約4ヶ月の期間においては、エントリー回数 16に対して計7回もv1.05とは逆方向でエントリー(逆ポジ)となっていた
これもあくまでバックテスト上での結果なので、実際にリアル口座で動かした場合にどうなったかは分からないが、このデータを見る限りでは最新のバージョンv1.07(=v1.06)では、前回のバージョンv1.05と逆方向のポジションでエントリーする頻度はそれなりに高そうな印象
最新のバージョン v1.07へ切り替えるか否か
v1.05へのアップデートから、わずか1ヶ月強で再びアップデートされた主な理由はおそらく「バージョンアップ後も逆ポジ現象の発生頻度に特に変化が見られず、多くの苦情が寄せられた為」であろうと推測すると
最新のv1.07では多少なりとも対策が施されているはずなので、やはりv1.07へ切り替えた方が逆ポジに悩まされるリスクは低減できそうな気がする
この記事をアップロードする前に、Fx-on EA販売ページのコミュニティ欄を確認したところ、EA開発者 東京シストレさんによる↓書き込みを発見したので引用(追記)
今回相次いだクレームについて、調査を進めたところ MT4 Built1170側から取得される各種データに、確率的に不具合のあるものが混入することがわかりました。
MT4側のプロセスの処理落ちが原因で、リアルタイムの内部メモリのデータ更新・計算が間に合ってないものと推測されます。
そこで、MT4の処理落ちを、ある程度EAでカバーをする対策を行いました。通常アップデートは、不具合を無くすためであったり、新機能を追加するために行いますが、MetaTraderはそのアップデートで新バグを作ってしまう事が、過去何度もありました。
今後も、何らかの形で発生するかもしれません。


正直このコメントに対して、↑のような疑問も感じる方も少なくないでしょう。
ただ、この辺のバージョンアップによる効果についてはしばらく様子を見てみないことにはわからないし、バックテスト上では前v1.05の方が若干ながら高パフォーマンスだったというのは事実です
Beatrice DELTA2 個人的な今後の運用プラン
ということで私なりに考えた結果、v1.04, v1.05, v1.07の3バージョンを『同一口座でロットを分散して動かした方がリスクの低減に繋がりそう』という結論に今回は至りました。
よって今後はv1.04(トレール-OFF)、v1.05 & v1.07(デフォルト)の3バージョンでDELTA2を動かしてしばらく様子をみる予定(MT4を2つ or 3つ起動させて)


参考までに↓がv1.04 トレールOFFの設定でバックテストした統計数値
PR(ペイオフレシオ)約 1.25と損小利大で、Total 11,785 Pips(但し最大ドローダウンは -1,678 Pipsと3倍以上)
まとめ
今回の内容をまとめると
- Beatrice DELTA2 のバージョンv1.06とv1.07の売買ロジックは同じ
- 約9年間のバックテスト上では、前v1.05が(若干ながら)高パフォーマンス
- 新バージョンv1.07のエントリー頻度は、v1.05とほぼ同じ
- v1.07はv1.05と逆方向のポジションでエントリーする頻度はそれなりに高い印象(主にトレンドレスな相場環境下において)
- v1.07ではMT4の処理落ち対策が施されており、逆ポジが発生しにくくなったかも?(利用者側の期待)
- バージョン別でロットを分散して動かしてみるのもアリな気がする
以上のような感じ。
前回のアップデートに関する記事公開時には約4年分のバックテストしか行っていなかったが、今回は2010年〜と更に長期の結果で比較したところv1.05が最も高パフォーマンスとなっていた
正直、今回のEA開発者さんの書き込み(コメント)に関しては「単純に逆ポジ問題の原因をMT4側へ責任転嫁したいだけでは?」という気もしなくはない(提供される環境に合わせるのが開発者の仕事だと思う)
とまぁ、少々毒ついてしまいましたが、私個人的にはEA Beatriceには未だ期待を寄せています(10月以降かなり不調なADX01も含めて)
今回のバージョンアップにより、逆ポジ現象の発生確率が大幅に減少+好成績に繋がるものであることを願いたいものです!
今後もDELTA2の活躍に期待しましょう