前回の記事「カコテンEAを裁量判断で止めるのは単なる自己満足か?」で
iIchimoku関数(一目均衡表)のみというシンプルロジックに加え、確定足(30分足)でシグナル判定が行われるEAである為、他一般的なEAと比べてバックテスト結果の信憑性が非常に高い
と記載したが、本当にそうなのか?
データのサンプル数としてはやや不十分かもしれないが、同期間におけるバックテスト結果とリアル口座(外為ファイネスト)でのトレード結果を比較してみた
リアル口座でのトレード実績
期間 2015.11.04〜2016.05.15
6ヶ月でたった29回しかトレード実績がない理由は、定期的に自己の裁量判断によりEAの停止・再開を繰り返してきた為
また、この29回には新規ポジションを取った後に『自己裁量によるSL(ストップロス)の変更、手動での損切り』などを行ったものも含まれる為、エントリーだけでなく、決済までEA カコテン iIchimoku AUDJPYの売買シグナル通り執行されたポジション数というのはさらに少ない
ちなみに、上記データはMyfxbookのカスタム分析機能(マジックナンバー)を利用
▶ 外為ファイネスト- EA カコテン+手動売買(Myfxbook)
EAのシグナル通りに行われたトレード(裁量抜き)
バックテストとリアル口座のトレード結果を比較するには、当然エントリー〜エグジット(手仕舞い)まで一貫してEAのシグナル通り行われたポジションのみをピックアップする必要がなる
EAの停止&再開、SLの変更履歴などはトレードノートにも記録してあるが、当カコテンEAは30分足の始値でしか動かない為、ポジションクローズ時間をチェックするだけで、手動で何か変更を行ったポジションかどうか容易に見分けることが可能である
(もちろんSL -210Pips or TP 420Pips で決済されたポジションは除く)
ロング(買い)ポジション
EAのシグナルによりエントリーしたロング ポジション数は9あるが、そのうち決済(手仕舞い)までEAのシグナルによる分は4ポジションのみ
ショート(売り)ポジション
EAのシグナルによってエントリーしたショートポジション数 20に対し、決済(手仕舞い)までEAのシグナルによる分は17ポジション
よって、バックテストと比較が可能なのは合計21ポジション
【比較結果】バックテストとリアルトレード
(クリックで拡大表示)
左が外為ファイネスト(リアル口座) / 右がバックテストデータ(OANDA)
年初1/4のポジションのみ、エントリー タイミングにズレがあるものの、それ以外は全てバックテストと相違ない結果
年末年始や、重要指標発表時など流動性が著しく低下し、配信レートも不安定な状況下では、カコテンEAであってもバックテストとリアル口座でのトレード結果に違いが生じる可能性は低く無いと考えるべきだろう
ちなみに、スプレッド25(2.5Pips)設定で行ったバックテスト結果と比べて、外為ファイネスト(リアル口座)でのトレードの方が計20ポジションで 26Pips、1トレード毎で平均1.3Pips 優秀な成績となっている(1/4にエントリーしたポジションも含めると48.6Pips)
外為ファイネストのAUDJPY スプレッドは平均 0.7〜1Pips程度(通常時)なので「おそらく2.5Pips設定のバックテスト結果よりは僅かに高収益だろう」と予想はしていたが、ほぼ予想通りの結果だった
ちなみに、外為ファイネストや、OANDA JAPANのような激狭スプレッド口座を利用する場合はスプレッド 2.5Pipsの設定でいいかもしれないが、XMやFxproなどの海外FX口座で運用を想定する時には、スプレッド設定は60(6Pips)程度にすべきだと思う
まとめ
サンプル数としては少し不十分かもしれないが、今回の比較検証結果より確定足でのみシグナル判定を行う当EAカコテン iIchimoku AUDJPY のバックテスト結果はかなり実現性が高いと判断しても良さそうだ
自動売買EAというと、いつでもデイトレ、スキャルピング系の高勝率&短期の方が人気がある印象だが、デモ口座でのフォワードテスト結果と、リアル口座でのトレード結果が大きく異るなんてことは普通によくある点には注意すべきだと思う(経験談)
とにかく、永久に儲かる手法(ロジック)なんてものはこの世に存在しないわけで、カコテンEAについてもこの先いつまで優位性を維持できるか?については全くの未知数ながら、私個人的には「おそらく息の長いEAとなるのでは?」と大きく期待を寄せている