4月の為替相場のアノマリーは?1990年以降の日足データから分析した結果

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アノマリー分析 公開日: 2023-04-13
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私個人的な相場経験としてはリーマン・ショック後しか知らないわけだが、4月は3月に続いて円安・株高になりやすい月というイメージを何となく持っている

そこで実際、過去の相場において4月は円安に動きやすいという傾向は見られたのか?また、数値的にどの程度だったか?

ということについて、1990年以降の30年強の日足データから各営業日ごとの月始値比変動率の推移や、最終的な月の変動率 平均などを分析してみたので、当記事ではその結果についてグラフ等を交えながら紹介

分析に使用したヒストリカルデータは stooqopen in new window から取得したものを利用

まず先に結論(分析結果のまとめ)簡単に述べると

当記事で記載する分析結果 まとめ

  • 過去相場おいて4月は円安よりもドル安傾向で、特に2010年以降の相場ではポンド、カナダドルの上昇傾向が強め

といった感じ

目次

4月 過去の相場における各通貨ペア 変動率データ まとめ

1990 ~ 2022年 4月の各通貨ペア 各年の変動率(始値比)データ

EURUSDGBPUSDAUDUSDNZDUSDUSDJPYEURJPYGBPJPYAUDJPYNZDJPYCADJPYZARJPY
19901.490.44-0.79-0.52-0.031.460.42-0.810.370.331.31
1991-1.91-2.050.750.00-2.79-4.64-4.79-2.06-2.79-2.21-4.50
1992-0.192.79-1.29-1.34-0.82-1.001.95-2.10-2.14-1.200.37
19931.372.741.102.56-2.52-1.180.16-1.44-0.02-3.41-2.11
19942.172.721.082.94-1.660.481.02-0.601.23-1.11-1.65
1995-0.18-0.39-0.722.52-2.62-2.70-2.92-3.33-0.180.18-5.44
1996-2.20-1.310.14-0.03-2.14-4.51-3.95-2.01-2.17-2.63-11.12
1997-3.18-1.72-1.00-0.672.640.111.671.611.941.851.81
19982.40-0.11-1.091.15-0.111.51-1.16-1.201.04-1.00-1.02
1999-1.91-0.104.174.730.53-1.37-0.974.725.293.511.25
2000-4.60-2.42-3.78-2.734.70-0.490.230.751.852.83-1.92
20011.471.294.902.66-2.35-0.91-1.612.440.250.34-1.18
20023.252.241.031.50-3.34-0.20-1.17-2.35-1.88-1.701.26
20032.411.023.351.060.813.241.844.181.883.3711.62
2004-2.70-3.85-5.96-6.536.023.161.94-0.30-0.901.22-2.05
2005-0.691.011.052.83-2.15-2.82-1.16-1.080.55-5.950.31
20064.265.116.053.69-3.350.771.602.510.211.12-3.89
20072.021.522.433.711.633.693.184.055.385.503.32
2008-0.900.223.22-0.524.043.124.287.403.526.0810.80
2009-0.133.204.980.73-0.34-0.492.834.620.395.3910.89
2010-1.580.590.812.240.42-1.171.021.232.670.200.13
20114.484.176.196.40-2.371.991.693.683.870.17-0.40
2012-0.861.42-0.13-0.66-3.80-4.63-2.45-3.92-4.43-2.93-4.47
20132.792.22-0.422.423.316.195.602.885.814.316.99
20140.681.260.23-0.66-0.98-0.300.28-0.75-1.63-0.16-0.86
20154.403.513.781.78-0.543.842.943.221.224.461.38
20160.571.70-0.810.97-5.39-4.85-3.78-6.16-4.47-2.08-2.28
20172.173.30-1.89-1.970.062.233.35-1.84-1.92-2.450.07
2018-1.96-1.83-2.07-2.822.820.810.940.70-0.083.23-2.36
2019-0.130.01-0.88-2.100.450.320.46-0.43-1.650.120.61
2020-0.711.325.602.44-0.34-1.050.975.272.100.58-4.05
20212.520.221.462.50-1.301.19-1.080.141.170.880.45
2022-4.68-4.28-5.61-6.906.641.642.070.65-0.723.80-1.44

1990 ~ 2022年 4月の各通貨ペア 終値の始値比 変動率(平均)

平均変動率(%)
EURUSD0.301
GBPUSD0.787
AUDUSD0.784
NZDUSD0.648
USDJPY-0.148
EURJPY0.104
GBPJPY0.467
AUDJPY0.596
NZDJPY0.478
CADJPY0.686
ZARJPY0.055

1990 ~ 2022年 4月の各通貨ペア 終値の始値比 平均変動率(%)グラフ

4月の各通貨ペア 平均変動率(%)グラフ(終値)

1990年~以降の過去33年間の4月 終値の始値比 変動率(平均値)では、ドル円だけがマイナスとなっており、ドル安&円安の傾向が強め?

近年(2010年以降)の相場における 4月の各通貨ペア 終値の始値比 変動率(平均)

平均変動率(%)
EURUSD0.592
GBPUSD1.047
AUDUSD0.482
NZDUSD0.280
USDJPY-0.078
EURJPY0.478
GBPJPY0.924
AUDJPY0.359
NZDJPY0.149
CADJPY0.779
ZARJPY-0.479

2010 ~ 2022年 4月の各通貨ペア 終値の始値比 平均変動率(%)グラフ

直近 約10年における 4月の各通貨ペア 平均変動率(%)グラフ(終値)

2010年以降 比較的近年の4月相場においても、ドル円は若干ながらマイナスとなっており、逆にポンドとカナダドルは上昇傾向が強め

1990 ~ 2010年 4月の各通貨ペア 終値の始値比 変動率(平均)

平均変動率(%)
EURUSD0.113
GBPUSD0.618
AUDUSD0.981
NZDUSD0.887
USDJPY-0.193
EURJPY-0.139
GBPJPY0.170
AUDJPY0.750
NZDJPY0.691
CADJPY0.625
ZARJPY0.403

1990 ~ 2009年 4月の各通貨ペア 終値の始値比 平均変動率(%)グラフ

1990~2010年までの 4月 各通貨ペア 平均変動率(%)グラフ(終値)

2010年以前のデータだけで見てもドル円はマイナスで、ユーロ、ポンドといった欧州通貨が2010年以降と比べると2010年以前は若干弱めの数値

ドル円, ポンドドル, ユーロ円, 豪ドル円, カナダ円 の各年4月 終値の始値比変動率 & 営業日ごとの変動率 推移

ドル円 (USDJPY)

過去相場(4月)終値の始値比 平均変動率

  • 〜2010年 約 -0.19%
  • 2010年〜 約 -0.08%

USDJPY 1990年以降 各年4月 月終値の始値比変動率(%) グラフ

USDJPY 1990年以降 各年4月 月終値の始値比変動率 グラフ

月終値が上昇(プラス)で引けた年 計13/33回 (39.39%)

USDJPY 1990年以降 各年4月 各営業日ごとの始値比変動率推移 グラフ(X軸:営業日, Y軸:変動率% (月始値比))

USDJPY 1990年以降 各年4月 各営業日の始値比変動率推移 グラフ

1990年以降の過去相場において、2022年のように大きくドル高・円安に動いた年はあるものの、2%以上の上昇(円安)で終えた年が7回に対し、2%以上の下落(円高)で終えた年は11回となっており、やはり4月はドル安の傾向がそれなりに強いように思える

ポンドドル (GBPUSD)

過去相場(4月)終値の始値比 平均変動率

  • 〜2010年 約 0.62%
  • 2010年〜 約 1.05%

GBPUSD 1990年以降 各年4月 月終値の始値比変動率(%) グラフ

GBPUSD 1990年以降 各年4月 月終値の始値比変動率 グラフ

月終値が上昇(プラス)で引けた年 計23/33回 (69.7%)

GBPUSD 1990年以降 各年4月 各営業日ごとの始値比変動率推移 グラフ(X軸:営業日, Y軸:変動率% (月始値比))

GBPUSD 1990年以降 各年4月 各営業日の始値比変動率推移 グラフ

2004年、2022年に関しては約4%の下落(ドル高)となっているが、トータルで見ルト過去の4月相場は明らかにポンド高・ドル安傾向

ユーロ円 (EURJPY)

過去相場(4月)終値の始値比 平均変動率

  • 〜2010年 約 -0.14%
  • 2010年〜 約 0.48%

EURJPY 1990年以降 各年4月 月終値の始値比変動率(%) グラフ

EURJPY 1990年以降 各年4月 月終値の始値比変動率 グラフ

月間で上昇(プラス)で引けた年 計17/33回 (51.52%)

EURJPY 1990年以降 各年4月 各営業日ごとの始値比変動率推移 グラフ(X軸:営業日, Y軸:変動率% (月始値比))

EURJPY 1990年以降 各年4月 各営業日の始値比変動率推移 グラフ

比較的近年にあたる2010年以降の相場においては平均0.5%程度の円安となっているが、トータルで見るとほぼほぼニュートラルといった感じ?

豪ドル円 (AUDJPY)

過去相場(4月)終値の始値比 平均変動率

  • 〜2010年 約 0.75%
  • 2010年〜 約 0.36%

AUDJPY 1990年以降 各年4月 月終値の始値比変動率(%) グラフ

AUDJPY 1990年以降 各年4月 月終値の始値比変動率 グラフ

月間で上昇(プラス)で引けた年 計17/33回 (51.52%)

AUDJPY 1990年以降 各年4月 各営業日ごとの始値比変動率推移 グラフ(X軸:営業日, Y軸:変動率% (月始値比))

AUDJPY 1990年以降 各年4月 各営業日の始値比変動率推移 グラフ

上昇or下落だった年の割合としてはほぼ半々だが、上昇率 4%以上だった年が6回に対して下落は1回のみと、豪ドル高に動いた場合には大きく動きやすい?

カナダ円 (CADJPY)

過去相場(4月)終値の始値比 平均変動率

  • 〜2010年 約 0.63%
  • 2010年〜 約 0.78%

CADJPY 1990年以降 各年4月 月終値の始値比変動率(%) グラフ

CADJPY 1990年以降 各年4月 月終値の始値比変動率 グラフ

月間で上昇(プラス)で引けた年 計21/33回 (63.64%)

CADJPY 1990年以降 各年4月 各営業日ごとの始値比変動率推移 グラフ(X軸:営業日, Y軸:変動率% (月始値比))

CADJPY 1990年以降 各年4月 各営業日の始値比変動率推移 グラフ

GBPUSDには劣るが、過去相場においてカナダドルは上昇傾向が強めな印象

ドル円, ポンドドル, ユーロ円, 豪ドル円, カナダ円 の各営業日ごとの始値比変動率(平均値)の推移

注意

年ごとの営業日サンプル数の違いから21日目以降のデータ(平均値)は極端な数値になっています(21営業日あった年 27/33, 22営業日あった年 13/33)

ドル円 (USDJPY)

USDJPY 1990年以降 4月 各営業日の始値比変動率の平均値 推移 グラフ(X軸:営業日, Y軸:変動率% (月始値比))

USDJPY 1990年以降 4月 各営業日の始値比変動率の平均値 推移 グラフ

ポンドドル (GBPUSD)

GBPUSD 1990年以降 4月 各営業日の始値比変動率の平均値 推移 グラフ(X軸:営業日, Y軸:変動率% (月始値比))

GBPUSD 1990年以降 4月 各営業日の始値比変動率の平均値 推移 グラフ

ユーロ円 (EURJPY)

EURJPY 1990年以降 4月 各営業日の始値比変動率の平均値 推移 グラフ(X軸:営業日, Y軸:変動率% (月始値比))

EURJPY 1990年以降 4月 各営業日の始値比変動率の平均値 推移 グラフ

豪ドル円 (AUDJPY)

AUDJPY 1990年以降 4月 各営業日の始値比変動率の平均値 推移 グラフ(X軸:営業日, Y軸:変動率% (月始値比))

AUDJPY 1990年以降 4月 各営業日の始値比変動率の平均値 推移 グラフ

カナダ円 (CADJPY)

CADJPY 1990年以降 4月 各営業日の始値比変動率の平均値 推移 グラフ(X軸:営業日, Y軸:変動率% (月始値比))

CADJPY 1990年以降 4月 各営業日の始値比変動率の平均値 推移 グラフ

今回の分析結果を踏まえた個人的感想

分析結果を踏まえた個人的感想

  • 過去の傾向として4月はドル安、ポンド・カナダドル高の傾向が強い?
  • クロス円も悪くはないが、主に対ドルでポンドやカナダドルでドル安トレンド発生時には普段より少し積極的にエントリーしていきたい

といった感じ。

あくまで過去の相場においてはこういう結果だったというだけで、今年は過去の傾向とは真逆に動く可能性も全然あり得るという点には注意し、ポジション量の強弱やエントリーすべきかどうか迷った際などの判断材料の1つとして活用していただければ幸いです。

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