3月の為替相場のアノマリーは?1990年以降の日足データから分析した結果

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アノマリー分析 公開日: 2023-03-03
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私個人的な相場経験としてはリーマン・ショック後しか知らないわけだが、3月&4月はかなり円安・株高になりやすいというイメージを持っている

そこで実際、過去の相場において3月は円安に動きやすいという傾向は見られたのか?また、数値的にどの程度だったか?

ということについて、1990年以降の30年強の日足データから各営業日ごとの月始値比変動率の推移や、最終的な月の変動率 平均などを分析してみたので、当記事ではその結果についてグラフ等を交えながら紹介

分析に使用したヒストリカルデータは stooqopen in new window から取得したものを利用

まず先に結論(分析結果のまとめ)簡単に述べると

当記事で記載する分析結果 まとめ

  • 過去相場おいて3月は2010年以降においてはかなり円安の傾向が強いが、2010年以前では平均変動率で見るとそうでもない
  • ドル円、クロス円通貨に関しては上昇or下落のどちらも他の月と比較しても値動きが大きくなりがち?

といった感じ

目次

3月 過去の相場における各通貨ペア 変動率データ まとめ

1990 ~ 2022年 3月の各通貨ペア 各年の変動率(始値比)データ

EURUSDGBPUSDAUDUSDNZDUSDUSDJPYEURJPYGBPJPYAUDJPYNZDJPYCADJPYZARJPY
19901.56-1.02-0.63-1.405.457.104.364.791.927.230.09
1991-9.46-7.85-1.25-2.694.53-5.36-3.673.231.723.941.41
1992-0.24-1.062.11-0.182.552.301.464.712.372.082.14
19932.214.860.000.95-3.06-0.921.66-3.06-2.15-3.66-1.26
19942.420.21-1.92-2.45-2.300.08-2.09-4.17-4.70-4.66-1.80
19954.742.29-0.293.41-10.38-6.42-8.25-10.64-7.32-10.55-7.26
19960.04-0.072.691.071.861.300.984.612.962.40-1.85
19971.801.71-0.32-0.772.773.883.812.451.991.503.74
1998-1.371.74-3.32-6.035.484.077.321.99-0.865.863.78
1999-1.980.502.562.10-0.47-2.39-0.782.071.630.43-0.19
2000-0.860.84-0.082.12-6.74-6.89-3.84-6.82-4.76-7.03-6.70
2001-4.84-2.06-7.58-6.927.592.394.51-0.570.145.082.59
20020.330.643.074.56-0.56-0.230.072.503.96-0.08-0.98
20031.020.49-0.74-0.86-0.130.890.37-0.87-0.990.792.30
2004-1.33-1.15-0.79-2.66-4.34-5.62-5.45-5.09-6.89-2.35-1.15
2005-1.91-1.57-2.39-1.942.380.440.76-0.060.394.61-3.74
20061.60-0.94-3.58-7.071.693.300.74-1.95-5.50-1.020.98
20070.950.232.631.93-0.620.33-0.382.001.320.79-0.45
20083.66-0.14-1.80-1.27-3.280.27-3.41-5.01-4.51-6.97-6.38
20094.940.378.4012.391.276.271.669.7713.822.448.42
2010-0.840.162.151.625.084.205.267.346.788.879.29
20112.65-1.381.451.181.734.430.333.212.931.893.42
20120.130.57-3.70-1.681.942.072.50-1.840.230.98-1.64
2013-1.910.221.821.441.67-0.271.893.523.132.94-0.22
2014-0.01-0.464.053.771.711.631.275.815.541.964.40
2015-3.93-3.88-2.45-1.010.34-3.61-3.55-2.12-0.67-1.02-3.62
20164.573.157.204.590.194.763.347.404.794.437.85
20170.901.23-0.15-2.40-1.35-0.47-0.14-1.50-3.72-1.27-3.48
20181.031.99-0.990.40-0.370.661.62-1.360.03-0.85-0.44
2019-1.34-1.72-0.02-0.15-0.48-1.82-2.19-0.50-0.63-1.83-3.32
2020-0.21-2.88-5.03-3.770.11-0.09-2.77-4.92-3.66-4.38-11.39
2021-2.88-1.12-1.62-3.573.920.922.752.230.215.356.19
2022-1.36-2.113.072.415.814.373.589.068.367.2411.16

1990 ~ 2022年 3月の各通貨ペア 終値の始値比 変動率(平均)

平均変動率(%)
EURUSD0.002
GBPUSD-0.249
AUDUSD0.077
NZDUSD-0.087
USDJPY0.727
EURJPY0.654
GBPJPY0.416
AUDJPY0.794
NZDJPY0.541
CADJPY0.762
ZARJPY0.360

1990 ~ 2022年 3月の各通貨ペア 終値の始値比 平均変動率(%)グラフ

3月の各通貨ペア 平均変動率(%)グラフ(終値)

1990年~以降の過去33年間の3月 終値の始値比 変動率(平均値)では、ドル円&クロス円通貨が軒並みプラス(上昇)となっており、やはり円安の傾向が強め?

近年(2010年以降)の相場における 3月の各通貨ペア 終値の始値比 変動率(平均)

平均変動率(%)
EURUSD-0.246
GBPUSD-0.479
AUDUSD0.445
NZDUSD0.218
USDJPY1.562
EURJPY1.291
GBPJPY1.068
AUDJPY2.025
NZDJPY1.794
CADJPY1.870
ZARJPY1.400

2010 ~ 2022年 3月の各通貨ペア 終値の始値比 平均変動率(%)グラフ

直近 約10年における 3月の各通貨ペア 平均変動率(%)グラフ(終値)

2010年以降 比較的近年の3月相場においては、ドル円&クロス円通貨は軒並み平均1%以上のプラス(上昇)で、豪ドル円 AUDJPY に関しては平均+2%となっており、相当強めの円安傾向となっている

1990 ~ 2010年 3月の各通貨ペア 終値の始値比 変動率(平均)

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2010年以降の3月相場が極端に円安傾向となっているだけで、2010年以前だけで見るとそうでもないのでは?

私もこのような疑問を感じたので、2010年以前の各年3月相場 終値の始値比 平均変動率も計算してみた

平均変動率(%)
EURUSD0.164
GBPUSD-0.099
AUDUSD-0.162
NZDUSD-0.285
USDJPY0.184
EURJPY0.239
GBPJPY-0.009
AUDJPY-0.006
NZDJPY-0.273
CADJPY0.041
ZARJPY-0.316

1990 ~ 2009年 3月の各通貨ペア 終値の始値比 平均変動率(%)グラフ

1990~2010年までの 3月 各通貨ペア 平均変動率(%)グラフ(終値)

2010年以前のデータだけで見ると、対ドル&ユーロにおいては少し円安気味ではあるものの、その他クロス円通貨ではほぼほぼニュートラル or むしろ円高気味という結果だった

ドル円, ポンドドル, ユーロ円, 豪ドル円, カナダ円 の各年3月 終値の始値比変動率 & 営業日ごとの変動率 推移

ドル円 (USDJPY)

過去相場(3月)終値の始値比 平均変動率

  • 〜2010年 約 0.18%
  • 2010年〜 約 1.56%

USDJPY 1990年以降 各年3月 月終値の始値比変動率(%) グラフ

USDJPY 1990年以降 各年3月 月終値の始値比変動率 グラフ

USDJPY 1990年以降 各年3月 各営業日ごとの始値比変動率推移 グラフ(X軸:営業日, Y軸:変動率% (月始値比))

USDJPY 1990年以降 各年3月 各営業日の始値比変動率推移 グラフ

リーマン・ショック後にあたる2010年以降(比較的近年)の相場においては、明らかに円安傾向となっているが、2010年以前では5%を超える大幅な下落(円高)となった年が2度発生している

過去相場において、トータルで見ても3月は円安方向に振れる傾向が強いように思えるが、逆(円高)方向に動いた際の振れ幅は大きくなりがち??

ポンドドル (GBPUSD)

過去相場(3月)終値の始値比 平均変動率

  • 〜2010年 約 -0.10%
  • 2010年〜 約 -0.48%

GBPUSD 1990年以降 各年3月 月終値の始値比変動率(%) グラフ

GBPUSD 1990年以降 各年3月 月終値の始値比変動率 グラフ

GBPUSD 1990年以降 各年3月 各営業日ごとの始値比変動率推移 グラフ(X軸:営業日, Y軸:変動率% (月始値比))

GBPUSD 1990年以降 各年3月 各営業日の始値比変動率推移 グラフ

2010年以降の相場では平均 約-0.5% と、そこそこドル高・ポンド安の傾向となっており直近では4年連続でマイナス(ポンド安)

ユーロ円 (EURJPY)

過去相場(3月)終値の始値比 平均変動率

  • 〜2010年 約 0.24%
  • 2010年〜 約 1.23%

EURJPY 1990年以降 各年3月 月終値の始値比変動率(%) グラフ

EURJPY 1990年以降 各年3月 月終値の始値比変動率 グラフ

EURJPY 1990年以降 各年3月 各営業日ごとの始値比変動率推移 グラフ(X軸:営業日, Y軸:変動率% (月始値比))

EURJPY 1990年以降 各年3月 各営業日の始値比変動率推移 グラフ

ドル円と同様、過去の相場においては円安方向に振れる傾向が強いように思えるが、逆(円高)方向に動いた際も大きく動きやすい感じか?

豪ドル円 (AUDJPY)

過去相場(3月)終値の始値比 平均変動率

  • 〜2010年 約 -0.01%
  • 2010年〜 約 2.02%

AUDJPY 1990年以降 各年3月 月終値の始値比変動率(%) グラフ

AUDJPY 1990年以降 各年3月 月終値の始値比変動率 グラフ

AUDJPY 1990年以降 各年3月 各営業日ごとの始値比変動率推移 グラフ(X軸:営業日, Y軸:変動率% (月始値比))

AUDJPY 1990年以降 各年3月 各営業日の始値比変動率推移 グラフ

2010年以降では2020年に関しては5%近くの下落となっているが、プラスだった年の上昇率がかなり高い

カナダ円 (CADJPY)

過去相場(3月)終値の始値比 平均変動率

  • 〜2010年 約 0.04%
  • 2010年〜 約 1.87%

CADJPY 1990年以降 各年3月 月終値の始値比変動率(%) グラフ

CADJPY 1990年以降 各年3月 月終値の始値比変動率 グラフ

CADJPY 1990年以降 各年3月 各営業日ごとの始値比変動率推移 グラフ(X軸:営業日, Y軸:変動率% (月始値比))

CADJPY 1990年以降 各年3月 各営業日の始値比変動率推移 グラフ

ドル円、ユーロ円と同様、円安の傾向が強いように思えるが、逆(円高)方向に動いた際は大幅な円高にも注意?

ドル円, ポンドドル, ユーロ円, 豪ドル円, カナダ円 の各営業日ごとの始値比変動率(平均値)の推移

注意

年ごとの営業日サンプル数の違いから22日目以降のデータ(平均値)は極端な数値になっています(22営業日あった年 24/33, 23営業日あった年 13/33)

ドル円 (USDJPY)

USDJPY 1990年以降 3月 各営業日の始値比変動率の平均値 推移 グラフ(X軸:営業日, Y軸:変動率% (月始値比))

USDJPY 1990年以降 3月 各営業日の始値比変動率の平均値 推移 グラフ

ポンドドル (GBPUSD)

GBPUSD 1990年以降 3月 各営業日の始値比変動率の平均値 推移 グラフ(X軸:営業日, Y軸:変動率% (月始値比))

GBPUSD 1990年以降 3月 各営業日の始値比変動率の平均値 推移 グラフ

ユーロ円 (EURJPY)

EURJPY 1990年以降 3月 各営業日の始値比変動率の平均値 推移 グラフ(X軸:営業日, Y軸:変動率% (月始値比))

EURJPY 1990年以降 3月 各営業日の始値比変動率の平均値 推移 グラフ

豪ドル円 (AUDJPY)

AUDJPY 1990年以降 3月 各営業日の始値比変動率の平均値 推移 グラフ(X軸:営業日, Y軸:変動率% (月始値比))

AUDJPY 1990年以降 3月 各営業日の始値比変動率の平均値 推移 グラフ

カナダ円 (CADJPY)

CADJPY 1990年以降 3月 各営業日の始値比変動率の平均値 推移 グラフ(X軸:営業日, Y軸:変動率% (月始値比))

CADJPY 1990年以降 3月 各営業日の始値比変動率の平均値 推移 グラフ

今回の分析結果を踏まえた個人的感想

分析結果を踏まえた個人的感想

  • 過去の傾向として2010年以降、3月は円安の傾向がかなり強いが、逆方向に動いた際の値幅も大きくなりがちな印象
  • 特に月半ば〜月末の期間でドル円・クロス円通貨の上昇(円安)トレンド発生時には普段より少し積極的にエントリーしていきたい
  • 逆に下落(円高)方向のトレンドが発生した場合には、素直に売りポジションを取っていきたい

といった感じ。

あくまで過去の相場においてはこういう結果だったというだけで、今年は過去の傾向とは真逆に動く可能性も全然あり得るが、ポジション量の強弱やエントリーすべきかどうか迷った際など、判断材料の1つとして活用していただければ幸いです。

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