決してニーズの高いトピックではないと思うが、当記事では無料で利用可能なツールを用いてMT4 or MT5の口座間、MT4/MT5, cTrader口座間でコピートレードを行う方法についてお届け
当記事の内容は以下のような方向け
例えば、口座縛りのあるEAやロット制限ありのEAなどを利用していて
- できれば取引条件が有利な別ブローカーで使いたい
- EAが好調な為、もう少し取引数量(ロット)を増やしたい
- EAとは逆方向のポジションでコピートレードしたい
などといったケースで、今回紹介する内容はきっと役立つでしょう
今回試した無料利用可能なコピートレードツールについて
試しに使ってみたコピートレードツール
- 無料EA Copy MT4 to MT4
- ローカル環境用ソフト Forex Copier 3 のデモ版
- クラウドベースのwebサービス Duplikium のフリープラン
今回はこれら3つのツールを使って実際にコピートレードを行ってみた上で、個人的な使用感などについて述べていく
EA Copy MT4 to MT4 を利用してMT4口座間でコピートレード
EA Copy MT4 to MT4 の特徴
- EA Copy MT4 to MT4は、同じコンピューター(ローカル環境)内で複数のMT4プラットフォーム間での注文を自動的にコピーする無料EA
- EAは mql5.com からダウンロード可能
- 設定はとてもシンプルで、コピー元口座を
Principal
, 注文受信者をCopieur
に設定するだけ - コピー先のポジション数量(Lot)の変更は不可(コピー元と同じ数量)
主な使用手順
- mql5.com からEAをダウンロード
- EAをセット後、EA設定 パラメータタブのMODEを コピー元となる口座では
Principal
コピー先口座ではCopieur
に設定 - MODEを
Principal
に設定したコピー元MT4口座でトレードを行うと、コピー先 MT4口座にトレードがコピーされる
参考記事: MQL5のインジゲーターやEAをダウンロードする方法
実際に試してみた様子
▶️ GIF画像を読み込み
このように、1秒程度のタイムラグ(遅延)はあるが同じポジション数量(Lot)でトレードがコピーされる
EA Copy MT4 to MT4 でコピートレードを行う際に注意したいポイント
個人的に注意すべきと感じたポイント
- 特にポジション決済時には1秒程度のタイムラグが発生するため、数Pips程度の小さな値幅を取りに行く超短期売買のコピーには不向きと思われる
- コピー先口座だけポジションを先に決済すると、一定時間経過後にコピー元口座でポジション保有中だと再度ポジションがコピーされてしまう
- EAにはLot数 倍率調整のパラメータは用意されていない為、コピー元口座と同じポジション数量でのコピートレードに限定される
非常にシンプルで使いやすくはあるが、遅延が少し気になる点と機能(カスタマイズ)性の低さから個人的にはこの後に紹介するツール2つの方がオススメ
Forex Trade Copier 3(デモ版)を使ってMT4口座間でコピートレード
Forex Copier | The best trade copying software
Forex Trade Copier 3 の特徴
- ローカル(同じPC)環境で MT4/MT5のトレードを他のMT4/MT5へコピーするソフトウェア
- あの Forex Tester Software Inc. によって開発されたソフト
- 無料のデモ版ではソース(コピー元), レシーバー(コピー先)の登録可能数が2アカウントまで
- 買い切りタイプの有料版はソース(コピー元), レシーバー(コピー先)を無制限に登録可能
- 公式サイト,アプリが日本語にも対応
- 様々な便利機能を搭載しており、自由にカスタマイズ可能
- 別にサーバー管理型のソフト FOREX COPIER REMOTE 2 も用意されている
個人的に便利だと感じる機能の一部
- 通貨ペア名の自動調整機能あり (EURUSD ↔ EURUSD-pro など)※ 手動設定も可
- コピー先の取引数量(Lot)の変更可能(証拠金を元にした自動調整も可)
- プロテクション機能(証拠金レベルが一定以下になった場合やドローダウン%が指定レベル以上になった場合にコピー停止)
- エントリープライス調整機能(コピー元よりも指定Pips 有利or不利な価格になった時点でエントリーなど)
- 指定の損切幅、利確幅で注文のコピーが可能
- 通貨ペアによる注文フィルタ(EURUSD, USDJPYのポジションのみコピーなど)
他にも数多くの機能が搭載されている
詳しくは公式サイト 以下ページを参照
実際に試してみた様子(EA Copy MT4 to MT4と比較)
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👆は遅延の比較をするためにも EA Copy MT4 to MT4 と一緒にコピートレードを行ってみた様子
少し確認しづらいかも知れないが、エントリーとエグジットのどちらも Forex Copier の方が遅延が少なく、高速にコピー処理されることが確認できた
Forex Trade Copier 3 を使ってみた感想
コピー先のLot数が変更可能な点以外にも数多くの設定が可能で、コピー処理もEA Copy MT4 to MT4よりも高速でとても良い。 また、日本語表示にも対応している為、使い方が分からなくて困る心配もほとんどないと思う
ちなみに、デモ版の機能制限として、登録可能なアカウント数は2つまで + 同時にコピーできる注文数は3ポジションまでと記載しているサイトも見つけたが、試してみたところ同時に3ポジション以上になっても問題なくコピー処理されたので、おそらくデモ版の制限は登録可能なアカウント数のみだと思われる
クラウドタイプの Duplikium を使ってMT4 & cTrader 口座間でコピートレード
Duplikium(ディプリキュウム) の特徴
- スイスに登録された会社で、2013年からサービスを提供
- クラウドベースのコピートレードwebサービスで、マスターアカウントから複数のスレーブ(コピー先)アカウントに注文をコピーする
- MT4やMT5だけでなく、cTraderなどの異なるプラットフォーム間でもコピートレードが可能
- データセンターがLD4とNY4にあるため、低レイテンシーで高速なコピーが可能
- リスクファクターを設定することで、コピー先(スレーブアカウント)のトレードサイズを調整することが可能
- その他、Forex Copier と同様にプロテクション機能や通貨ペアによる注文フィルタ機能も搭載
- 一部制限はあるが、無料プランも用意されている
- 有料プランは事前残高チャージ式の従量課金制と、月定額プランが用意されている
- 言語表記は英語のみ
機能などについての詳細は 公式サイト Tutorials のページを参照
Duplikium(ディプリキュウム)を無料プランで利用する場合の制限
無料プランで利用する場合の制限
- 利用可能なアカウントはマスター(コピー元)、スレーブ(コピー先)それぞれ1つまで
- 1日の最大ボリューム(取引数量):10ロット
- 月間最大ボリューム(取引数量):20ロット
- 1日あたりの最大注文数:20件(新規・決済 別々にカウント)
- 1ヶ月の最大注文数:50件(新規・決済 別々にカウント)
- TakeProfitとStopLoss は自動更新されない
- 取引数量のカウントは毎月1日にリセット(スレーブ(コピー先)アカウント視点でカウント)
例えば、1ポジションの数量が0.5Lot(5万通貨)以下で、月に新規→決済 までの往復取引回数が25回以下なら無料プランの制限内で利用可能という解釈でOKだと思う
Duplikium(ディプリキュウム)のセットアップ手順について
Duplikium webサイトの言語表記は英語のみとなっているが、高機能な翻訳サービス DeepLや最近話題のAIサービス等を利用すれば英語が苦手という方でも問題なくセットアップ可能かと思う
実際に試してみた様子
MT4 → MT4(EA Copy MT4 to MT4との比較)
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EA Copy MT4 to MT4と比較すると、遅延の差は結構大きく Duplikium の方が高速にコピー処理されている
MT4 → MT4(Forex Copier 3との比較)
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Forex Copier3と比較してもDuplikium の方がコピー処理は高速
MT4 → cTrader口座へコピートレードしてみた様子
▶️ GIF画像を読み込み
MT4 -> MT4 と比べると若干遅延が大きいような気もしなくはないが、特に気になるレベルではない
Duplikium(ディプリキュウム)を使ってみた感想
思った以上にセットアップは簡単で、トレードがコピーされるまでの遅延もだいたい 0.1~0.2秒程度と、処理速度の速さはこれら3ツールの中で最速だと思う
Duplikium はクラウドサーバーベースで注文処理している為、コピー先口座のMT4やcTrader は起動しておく必要がないというのも非常に大きなメリットに感じた
反面、クラウドサーバーベースで注文処理を行う為コピー先トレード口座のログインID、パスワードを登録する必要があり、もし万が一にもこれら情報が他者に漏れた場合には好き勝手トレードされてしまうなどのセキュリティリスクはゼロではないという点には一応注意したい
もちろんこれら情報は暗号化され自社サーバーで厳重に保管されているとのことなので、過度に心配する必要はないと思われる
Is it safe to provide you with my trading account credentials?
(私の取引口座の認証情報を提供することは安全ですか?)
We apply the latest technologies to make sure your account login/password is entirely safe. Your credentials are kept in an encrypted format on our servers, with maximal security protocols.
私たちは、お客様のアカウントログイン/パスワードが完全に安全であることを確認するために、最新の技術を適用しています。お客様の認証情報は、最大限のセキュリティプロトコルを用いて、当社のサーバー上で暗号化されたフォーマットで保管されます。
引用: Duplikium FAQs
ちなみに、設定のカスタマイズ性という面では Forex Copier 3 の方が優れている印象で、無料プランでは設定可能なオプションにも制限ありな点は少し残念
その他、無料でMT4口座間のコピートレードが可能なオプション
他にも コピまる、 FX Blue Personal Trade Copier for MT4 などのソフトも今回見つけたが、前者のコピまる
に関してはローカル環境(同一PC内)でのコピートレードなら無料版で使用可能とのことだった。
ただし、リアル口座で使う場合にはコピー先ポジション数量が0.01 Lot固定というキツめの制限があり、ロット制限なしで使うには月額3,500円(税抜)が必要になるらしい
後者のFX Blue Personal Trade Copier for MT4
に関しても、ローカル環境(同一PC内)でのMT4, MT5口座間のコピートレードを行うソフトで、英語表記のみとなっているが、おそらくこちらは完全無料で使用できるっぽい。
参考記事: MT4/MT5でトレードをコピーする無料ツール「FX Blue Personal Trade Copier for MT4」
また、キャッシュバックIBサイト Taritali でも利用者向けにサーバー管理型のコピートレードEAが提供されているが、現在はまだベータ版となっており動作が不安定らしく、トレードのコピーには数秒ほど遅延が発生するとのこと
関連記事: 海外FX キャッシュバックIBサイトとは?どこを選ぶべき?
まとめ
今回3つのツールを使ったコピートレードを実際に行ってみた結果
各ツールごとの感想・まとめ
- EA Copy MT4 to MT4: 設定も超シンプルな設計で使いやすいが、カスタマイズ設定がない点と遅延が若干気になる
- Forex Copier 3: Duplikium よりもコピー処理速度は僅かに遅いと思われるが、 デモ版でもかなり細かい設定が利用可能で、日本語表示にも対応している点がGOOD⭕️
- Duplikium: 無料プランでは一部の設定機能しか使えない点と、英語表記のみという点が Forex Copier に劣るが、 サーバー管理型でコピー処理速度はこれら3つの中では最速 + cTrader にも対応している点がGOOD⭕️
コピー処理速度をより重要視する
、MT4を常時起動させることなくコピートレードをしたい
などといった場合はサーバー管理型webサービス Duplikium(ディプリキュウム)- 速度よりも設定の柔軟性、日本語表示対応などを重視するなら Forex Copier 3
という使い分けが良さそう
cTrader を含む口座間でコピートレードをする場合は、他ツールで有力候補を見つけることはできなかったこともあり、個人的には現状 Duplikium 一択かな?といった感じ
MT4, MT5, cTrader の口座間コピートレードに興味がある方というのはそれほど多くはないと思うが、興味がある方は今回紹介したこれらツールを一度試してみると良いでしょう