【初心者向け】恐怖の強制ロスカットなんて無縁!リスク管理計算手順〜改定版

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リスク管理 更新日: 2022-08-13
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今回はタイトルの通り、恐怖の強制ロスカットなど無縁のもの!とするために必要なリスク管理計算方法について、過去に強制ロスカットが大量発生した事例などもふまえてご紹介

目次

強制ロスカットとは?

運用資金として預けた証拠金以上の損失発生を防止することを目的とし、証拠金に対して含み損がある一定のライン(一般的に証拠金維持率100%)を下回った時点ですべての建玉を強制的に決済されてしまうこと

参考: 強制ロスカットについて(セントラル短資FX)open in new window

少ない証拠金で無理のある数量の取引を行うほど、この強制ロスカットが発生する確率は高くなる

また、そう頻繁に起こるものではないものの予想もしないような相場の急変動が起こった場合など、ゼロカット制度のない国内FX口座においては 証拠金以上の大幅なマイナスが発生し、多額の負債(借金)となるリスク も存在!

近年で記憶に残るレベルの相場急変動の事例としては、2015年1月に起きたスイスフラン・ショックや、2015年8月24の 世界同時株安(円急騰相場)などが該当する

例1 - スイスフラン・ショック時の例

スイスフラン・ショック時のEURCHF日足チャート

スイスフラン・ショックは1,000年に1度と呼ばれる程の極端な例で、当時スイス国立銀行が行っていた『1ユーロ=1.20スイスフランを上限とした無制限介入』を突然撤廃すると発表し、ほぼ一瞬でスイス・フランが(約20%)暴騰という凄まじく恐ろしい相場だった

多くのFX業者では レート配信がストップしたり、レートは配信されていても注文不可 といった状態に陥っていたもよう

また当時ストップロスを同じレートに設定していても運用口座(FX業者)によって不利約定(スリップページ)に相当な差があり、強制ロスカット祭りだったのはもちろんのこと、国内FX業者では 合計1,200件以上の追証が発生し、その金額は約34億円 にも登ったらしい

例2 - 世界同時株安によるリスクオフ相場時

2015年8月24に発生したこのリスクオフによる円高相場での1日の最大下落率は ドル円で約5%, 豪ドル円は約8% だった

正直メジャー通貨ペアのドル円であっても1日の変動幅 3~5%程度の相場というのはそこまで珍しいわけではないのだが、この時の相場が印象的だったのは たった2分足らずの間に2%以上も暴落 したこと(ドル円)

8.24 世界同時株安時のUSDJPY 暴落 チャート

2015年8月24日の大暴落とはなんだったのか?open in new window

Yahooファイナンススタジアム(YJFX)2015/8/24 の収益額ランキング ワースト9

当時 YJFXのトレーダー 収益額ランキング ワースト9 を確認したところ、 1億以上マイナスの人や、約1600万円の追証 が発生しているユーザーも・・・😨****

必要証拠金とは?

必要証拠金

= 対象の通貨×数量を取引するために最低限必要な担保金

日本国内のFX業者であればレバレッジ25倍なので、対象通貨×数量を等価(レバレッジ1倍)で計算した金額の1/25(= 4%) が必要証拠金(最低限取引に必要な担保金)となる

注意点

特に南ア・ランドやトルコ・リラなどを代表とする新興国・マイナー通貨は、ドル円やユーロドルなどの主要国・メジャー通貨と比べて 流動性が薄く変動リスクが高い 為、口座によって必要証拠金額が大きく異なる場合があり注意が必要(メジャー通貨であっても多少異なる場合がある為、各口座の取引条件は要確認)

必要証拠金 計算例

必要証拠金(円)の計算例

  • 例1. USDJPYを120.0円で1万通貨のポジションを取引する為に必要な証拠金
    • 10000 / 25 = 400ドル = 約48,000円
  • 例2. EURBGPを1万通貨のポジションを取引(EURJPY 135.0円の時)する為に必要な証拠金
    • 10000 / 25 = 400ユーロ = 約54,000円

証拠金とレバレッジとは - forex.comopen in new window

必要証拠金 計算ツール

必要証拠金を算出

万通貨

実質レバレッジで考えるリスク管理

必要証拠金以上の預入資金を用意すればポジションを持つこと自体は可能であるものの 必要証拠金 = あくまで最低限必要な担保金 なので、強制ロスカットされることなく安全に運用を行う為にはできるだけ多くの必要証拠金+αの余剰資金が必要になる

これからFXを始める、もしくは開始して間もない超初心者の方には最低限 実質レバレッジ(証拠金維持率)ベースでリスク管理を行うことを強く推奨したい(冒頭で述べたように証拠金維持率が100%を下回ると強制ロスカットになってしまう)

許容リスクレベルは人によって異なる為『実質レバレッジ ◯倍以下であれば安心』という明確な基準はないものの、できれば実質レバレッジ3倍以下を個人的には推奨したい

実質レバレッジ10倍〜15倍程度が適正と考えてFXを行っている人も少なくないが、たとえデイトレードなどの短期売買がメインであっても実質レバレッジ10倍以上というのは流石にリスク過剰だと思う

実質レバレッジ 計算方法

資金10万円でドル円 125円 を実質レバレッジ3倍以下に抑えてトレードしたい場合の取引数量

最大取引可能数量 = 10万円 ✕ 3 / 125 = 2,400通貨

資金100万円でドル円 125円 を10万通貨取引する場合の実質レバレッジ

実質レバレッジ = 125 ✕ 100,000 / 100万円 = 12.5倍

という計算

実質レバレッジ 計算ツール

実質レバレッジを算出

万円 万通貨

運用資金に対する想定損失額の割合%で考えるリスク管理

先述した実質レバレッジをベースとしたリスク管理はポジションを持つ前に損切りを決めることができない人、損切りの重要性をまだ理解できていないFX初心者の方向けの 最低限のリスク管理手法 で、こちらはポジションを持つ前に必ず損切りポイントを決めて、想定損失額を計算する必要がある

一般的には1ポジションあたりの損失は運用資金の2%以下になるようにするのが望ましいとされているが(自分のトレード手法がすでに確立されており、その手法に絶対的な自信を持っている場合を除いて)個人的には1%もしくは0.5%以下に抑えるべきかと思う

具体例

  • 運用資金 100万円
  • 最大許容損失額の割合 1%
  • 取引通貨 USDJPY
  • ポジション LONG(買い)
  • エントリー(新規)レート 125円
  • 損切りレート 121円

例えば上記の条件だと最大許容損失額 = 1万円 となる為、エントリー 〜 損切り の値幅 4円 で、1万円以下の損失になるようにポジション量を計算する

最大ポジション量の計算

最大ポジション量 <= 最大許容損失額(1万円) / 損切り値幅(4) = 2,500通貨

よって、この場合ポジション量を2,500通貨以下にする必要がある

次のトレード時には運用資金の増減に応じて最大許容損失額(1%)を再度計算し、損切り時のマイナスがそれ以下になるように最大ポジション量も算出するといった具合

想定損失額 計算ツール

想定損失額を算出

万通貨

さいごに

以上、今回はギャンブルとしてではなく、資産運用としてFXに取り組むのであれば最重要事項となるリスク管理手法についての紹介でした

できれば総資金に対する想定損失額の割合%をベースにリスク管理を行う方がベターなのが間違いないですが、まだ取引に慣れない状態で明確なルールを構築することは容易では無い為、FX初心者の方はとりあえず実質レバレッジ3倍以下を基準にリスク管理を行えば 強制ロスカットで予想外の大損(+追証発生) なんていう最悪な事態に遭遇してしまうリスクはまずあり得ないレベルに激減します

また、利確ポイントはそれほど重要ではないものの、損切りポイント(ストップロス)は新規エントリーと同時に必ず設定し、エントリー後も損が拡大する方向へのストップロス変更は絶対しないことも取引ルールに組み込むのが望ましいでしょう

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